パン
パンに使う粉のいろいろ
小麦粉に含まれているたんぱく質は、水を加えてこねることによってグルテンと呼ばれる組織にかわります。このグルテンにある粘りやコシが、パンのモチモチした歯ごたえを生みます。小麦粉にはグルテンの含有量の違いによって、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉などの種類に分かれます。パン作りには、グルテンの量が多い強力粉や準強力粉が使われます。また小麦粉以外にも、世界各地ではさまざまな粉が使われてきたようですが、それでもグルテンは欠かせません。なので、グルテンの少ない粉を使う場合でも小麦粉に混ぜて作ることになります。
〈麦の仲間〉
・大麦粉
小麦と比べてグルテンが少ないので、小麦粉に混ぜて使います。
・ライ麦粉
小麦よりも寒さに強いライ麦は、東ヨーロッパやロシアなどで多く栽培されています。ライ麦で作るパンには独特の酸味があります。
・グラハム粉
1800年代にアメリカの植物学者グラハム博士が考案した粉です。グラハム粉の材料は小麦粉ですが、粒ごと粉にした全粒粉という状態です。その中でも粗挽きの全粒粉をグラハム粉といいます。
〈麦以外の材料〉
・どんぐりの粉
おなじみの木の実の「どんぐり」ですが、消化も良いことから、北イタリア、スイスなどをはじめ、世界中の至るところで使われています。日本でも戦時中にはよく使われていたようです。
・そば粉
栄養価が高く、寒い地方でもよく育つため、世界中で使われている材料です。インドやチベット、ロシア、ヨーロッパなどでパンにしています。
・ポテトフラワー
名前のとおり、じゃがいもの粉です。小麦粉の代わりに使おうとした時代もあったそうなのですが、最近では小麦粉に混ぜて使われています。しっとりとした口当たりになります。
・米粉
米粒を挽いたものです。第一次世界大戦中にアメリカでは小麦粉の代用にしたということですが、日本でも最近では米粉入りのパンは多く見かけますね。粉の総量30%程度まで混ぜることが可能です。白米でも玄米でも作れます。
・コーンミール
トウモロコシの粉。小麦粉に混ぜて使うとやさしい食感になります。栄養価が高く、いろいろなタイプのパンに使える材料です。
・大豆粉(きなこ)
ビタミンや必須アミノ酸などを豊富に含みます。鉄分やカルシウムなどもたっぷり。クッキーやマフィンなどに入れても美味しいのですが、焼く際に使う場合は焦げやすいので量は少なめに使うのがよいです。